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サイトのアナリティクスおよびその解析にGoogle Analyticsを利用している人は多いと思います。
Cookieなどを利用するデメリットと引き換えに、大量の情報を得られる上、天下のGoogleの提供する無料ツールなので多くの人が利用しています。
また、非常に多機能のため個人のサイトだけでなく企業サイトでも利用されています。
数行のコードを挿入するだけで利用できるため簡単に利用でき高機能なのですが、スクリプトの処理が重くページのパフォーマンスを大きく落としてしまいます。そのため、SEOの観点から不利になります。
また、いくら天下のGoogleとはいえサードパーティ製のJavaScriptをユーザーにダウンロードさせ、ブラウザで実行させるためセキュリティリスクが生じます。
こうした巨大な外部スクリプトをクラウド上で利用することで、これらすべての課題を解決できます。
これを可能にするツールがCloudflare Zarazです。
Cloudflare Zarazについて
Cloudflare Zaraz(以下 Zaraz)は、CDNで有名なCloudflareが提供する製品の一つで、サードパーティ製のスクリプトの読み込みをクラウドに委譲することでパフォーマンスの向上とセキュリティを含むプライバシーの課題点の解決を目指したツールです。
以下に特徴を挙げます。
高速化
Zarazを利用するとサードパーティーツールのコードがWorkersを介してCloudflareのエッジで実行されます。裏で行われている処理は複雑ですが、つまりあなたのサイトがめちゃくちゃ速くなるということです。
今日のWebサイトではユーザーの観点からは速度が非常に重要な意味を持ちます。
速ければ速いほどあなたのサイトはよりよい評価を受けることができます。
これはSEOの観点からもとても重要であり、成長したWebサイトであなたが行えるほとんど唯一のSEOとして速度の向上があります。
ボタン一つで有効化
CloudflareのダッシュボードからZarazを有効化することができます。各スクリプトで利用するIDなどを入力するだけで利用を始められます。サーバー側の変更は不要です。
Zarazではテンプレートが用意されているため、テンプレートの用意があるものはわかりやすいUIから数個の入力を済ませるだけでツールを導入できます。
柔軟性
あなたがプログラマーであり、Web APIを利用して柔軟にZarazを利用したい場合でももちろん使うことができます。
ZarazではWeb APIが整備されているため、必要があれば利用することができます。
セキュリティの向上
Zarazを利用することで、スクリプトをユーザー端末で動作させるか制御できるため、セキュリティが向上します。
また、様々なサードパーティ製ツールの管理画面が異なると管理が面倒です。Zarazを利用することで、実質的な管理画面をZarazにまとめることができるためサイト管理者の観点からも利便性が向上し、管理がやりやすくなる結果、セキュリティの低下を防ぐことができます。
セキュリティに詳しい管理者の方はサイトにCSPを設定していると思います。
ZarasではCSPを利用している場合でも柔軟に利用できます。詳しくは以下のCloudflareのブログを参照してください。
https://blog.cloudflare.com/ja-jp/zaraz-use-workers-to-make-third-party-tools-secure-and-fast-ja-jp/
個人情報の保護
Cookieを利用した場合、ユーザーは意図せず公開を望まない情報を含む個人データを送信してしまうことがあります。
Zarasは最終的にすべてCloudflareのクラウド上で実行されます。
ブラウザで実行されないということは余計なデータにアクセスすることができないということでもあり、意図しない個人情報の蘇秦を防ぐことができますし、悪意のあるコードが挿入された場合も影響を最小限に抑えることができます。
また、機密情報が含まれていると判断した場合は何らかのアクションをとることができます。
サードパーティに送信されるデータの制御。サードパーティのツールは、サイトの動作や使用状況を測定するためなどに、ページやブラウザから情報を自動的に収集することがよくあります。多くの場合、この情報は非公開にする必要があります、例えば、ほとんどのツールはdocument.locationを収集しますが、「パスワードのリセット」ページのURLにユーザーの電子メールが含まれているのをよく見かけます。つまり、電子メールは知らず知らずのうちに、通常は同意なしにサードパーティプロバイダーによって送信、保存されているのです。サードパーティの実行をエッジに移すということは、何が送信されているかを完全に可視化することを意味します。つまり、ツールが個人を特定できる情報を収集しようとしたり、サードパーティのサーバーに到達する前にデータのプライベートな部分を隠そうとしたりする場合に、アラートやフィルターを提供することができるのです。この機能は、現在パブリックベータ版では利用できませんが、今日から利用を開始したい場合は、当社にご連絡ください。
これについて、詳しくは以下のページをご覧ください。
https://blog.cloudflare.com/ja-jp/zaraz-use-workers-to-make-third-party-tools-secure-and-fast-ja-jp/
コンプライアンスへの対応
CloudflareではCloudflare Data Localization Suiteというサービスも提供しています。
このCloudflare Data Localization Suiteの中にあるCloudflare Regional Servicesを利用することで、サービスの実行場所を選択できるため、コンプライアンス準拠が容易にできます。
Google AnalyticsをZarazを利用して導入する
前提としてサイトをCloudflareに追加し、CDNとして利用する必要があります。
- Cloudflareのダッシュページにログインします。
- Zarazを設定したいサイトを選択します。
- Zarazを選択し、ツールの設定に移動します。
- ツールの一覧が表示されるので、Google Analytics 4を選択します。
- 注意書きを読んだら継続を押します。
- 権限を付与します。以下の項目があると思います。すべてオンがいいでしょう。
- クライアントのキーバリュー ストアへのアクセス
- クライアント ネットワーク リクエスト
- クライアントサイド JavaScript を実行する
- 各種設定項目を入力します。
- ツール名: Zarazで作成したツールを見分けるための便宜的な名称です。好きな名前をつけられます。初期値はGoogle Analytics 4です。
- Measurement ID: Google Analyticsのアカウントに紐付けられたIDです。Google Analyticsから確認することができます。詳しくは以下のブログを参照してください。動作させるための必須項目です。初期値はありません。
- Hide Originating IP Address: サイトの訪問者のIPアドレスを秘匿化します。この項目をオンにするとGoogle Analyticsでユーザーの地理情報を取得できなくなりますが、ユーザーのプライバシーが向上します。初期値はオフです。
- E-commerce tracking: Google AnalyticsのEnhanced ecommerce機能を利用できるようにします。Google Analyticsによる分析ができるようにZarazがZaraz E-commerce API eventsをGoogle Analyticsに送信することになります。デメリットとしてユーザーのプライバシーが損なわれます。初期値はオフです。
- Google Analytics Audiences: Google Analytics Audiencesを利用できるようにします。Google Analytics Audienceについて、詳しくはGoogleのドキュメントをご覧ください。デメリットとしてユーザーのプライバシーが損なわれます。初期値はオフです。
- 保存を押します。
以上でZarazを利用したGoogle Analyticsの導入は終了です。
よくある質問
CloudflareがFAQとしてよくある質問をまとめています。必要な際は参考にしてください。